「子供の頃から憧れていたゲーム業界で働きたい」
「今の仕事も悪くないけど、本当にやりたいのはゲーム作りかもしれない…」
キャリアの可能性が無限に広がる20代。その若さと情熱を、大好きなゲームの世界で燃やすたいと考えるのは、自然なことです。
20代は、未経験からゲーム業界に挑戦できる貴重な時期で、圧倒的なポテンシャル(将来性)があなたにとって最大の武器になります。
この記事では、そんな20代のあなたのための、未経験でのゲーム業界転職について解説します。
20代転職のリアル|企業はあなたの「将来性」に投資する
まず、企業が20代の未経験者に何を期待しているのかを理解しましょう。30代以上に求める「即戦力性」とは異なり、20代に求められるのは以下の3つです。
ポテンシャルと学習意欲
ゲーム業界の技術やトレンドは日進月歩で進化します。企業が20代に求めるのは、現時点での完成されたスキルよりも、新しい技術やツールをスポンジのように吸収し、自ら成長し続けられる学習意欲です。未経験であることは、むしろ「伸びしろ」として、大きな期待を寄せられる要素なのです。
熱意と主体性
「ゲームが好き」という気持ちは、大前提です。企業が見ているのは、「面白いゲームを作るために、自分は何ができるか」を考え、自ら行動できる主体性が求められます。何かを独学する、ポートフォリオを作成する、コミュニティへ参加する、といった具体的なアクションはその証明となります。
柔軟性とカルチャーフィット
ゲーム開発ではチームワークは不可欠です。自分の意見を持つことは大切ですが、それ以上に、先輩からのフィードバックを素直に受け入れ、チームの方針に柔軟に対応できる素直さが重要視されます。新しい環境やチームにすぐに馴染み、共に成長していけるか。そのカルチャーフィットも、大切な評価軸の一つです。
未経験からでも狙える!キャリアの第一歩となる職種
いきなり花形のクリエイター職に就くのは簡単ではありません。まずは業界に入り、プロの現場を学ぶための現実的な入口を選びましょう。
QAテスター/デバッガー
未経験者向けの募集が最も多く、ここからプランナーやQAエンジニアを目指すのは王道ルートです。
デバッガーについてはこちらの記事で解説しています。
▶ゲームデバッガーはきつい?仕事内容のリアルと、やりがい・キャリアパスを徹底解説
カスタマーサポート
ユーザーと直接向き合う中で、ゲームへの深い理解を得られます。コミュニケーション能力に自信があるなら、運営企画への道も拓けます。
プランナーアシスタント
企画書や分析レポートといった、質の高いポートフォリオを準備できれば、企画職のサポート業務からキャリアを始めるチャンスもあります。
プログラマー
簡単ではありませんが、不可能ではありません。プログラミングスクールに通ったり、強い意志で独学を続けたりすることで、プログラマーを目指す道もあります。この場合、熱意とスキルを証明する、質の高いポートフォリオ(自作のゲームなど)が不可欠です。
【実例紹介】20代未経験転職の成功パターン
理論だけでなく、実際に20代で未経験からゲーム業界への転職を成功させた事例を見てみましょう。年代によって異なるアプローチの参考になります。
20代前半の成功事例:ケンジさん(24歳)
転職前: 接客・サービス業(年収350万円)
転職後: ゲームアプリ開発会社のプログラマー(年収400万円)
ケンジさんは接客業で働きながら、「こういったゲームを自分でも作ってみたい」という思いから転職を決意。完全未経験から独学でプログラミングを学習し、実際に動作するスマートフォンゲームを制作してポートフォリオとして活用しました。
成功のポイント:
- 継続的な学習意欲を面接でアピール
- 実際に動くゲーム作品を制作
- 20代前半のポテンシャルが企業に評価された
- 未経験歓迎の求人に集中して応募
現在は入社から3年が経過し、ゲーム開発の指揮を執りながら部下の指導も担当するまでに成長しています。
未経験からゲームアプリ開発会社のエンジニアに転職成功―20代/男性の体験談・感想
20代後半の成功事例:佐藤健太さん(27歳)
転職前: 大手IT企業でWebアプリケーション開発(3年経験)
転職後: 中堅ゲーム開発会社のジュニアゲームプログラマー
佐藤さんはIT業界での安定した環境にいましたが、幼少期からの「自分でゲームを作りたい」という夢を諦めきれず転職を決意。Web開発の経験を活かしながら、UnityとC++を独学で習得し、休日を利用して2Dアクションゲームを制作しました。
成功のポイント:
- 既存のIT経験を活用したステップアップ戦略
- ゲーム開発者向けコミュニティに積極参加
- 転職エージェントを活用した戦略的な転職活動
- 前職でのチーム開発経験が評価された
「やっと夢のスタート地点に立てた気がします。この道を選んで良かった」と語り、現在はモバイルゲームの新作RPG開発でバトルシステムを担当しています。
転職成功事例:27歳、大手IT企業からゲーム業界へ飛び込んだ男
ライバルに差をつける「武器」の作り方
「ポテンシャル採用」は、待っているだけでは始まりません。2つの事例のように、自ら行動し、熱意を「形」にすることが不可欠です。
ポートフォリオの質を極める
ただ作品を見せるだけでなく、「なぜこれを作ったのか」「どこにこだわったのか」を説明できるようにしましょう。プランナー志望なら、好きなゲームの改善企画書を作成するのも非常に有効です。
SNSでの発信とコミュニティ参加
X(旧Twitter)で作品や学習の進捗を発信したり、ゲームジャムに参加したりして、業界との接点を持ちましょう。あなたの熱意が、採用担当者の目に留まるかもしれません。
基礎スキルを習得する
UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンに触れてみる、ITパスポートのような基礎資格を取得するなど、「本気度」を客観的に示すための自己投資を惜しまないようにしましょう。
まとめ
20代は失敗を恐れずに挑戦できる、キャリアにおける最高の時期です。たとえ未経験であっても、若さ、情熱、そして学習意欲は、どんな経験にも勝る強力な武器となります。
完璧な準備が整うのを待つ必要はありません。まずはこの記事を参考に、ポートフォリオとして見せられる作品を一つ、作り始めてみてはいかがでしょうか。
その小さな一歩が、あなたの新たな物語の始まりです。