「自分のスキルと経験なら、本当はもっと稼げるのではないか?」
「どうすれば、社内で評価され、給料を上げることができるんだろう?」

企業の正社員として働く3DCGデザイナーなら、誰もが一度は考える自身の市場価値と収入。

この記事では、「正社員」という働き方にフォーカスし、リアルな年収実態と、着実に収入を上げていくための具体的なキャリア戦略を徹底解説します。

あなたの今の立ち位置と、次に目指すべき道が、きっとここに見つかります。

正社員3DCGデザイナーのリアルな平均年収

まず結論から。各種求人情報や統計データを総合すると、正社員3DCGデザイナーの平均年収は、概ね400万円〜500万円です。

しかし、これはあくまで全世代・全スキルレベルを含んだ平均値。実際には、経験や役職によって年収300万円台から、1000万円を超えるトッププレイヤーまで大きな幅があります。

重要なのは、正社員という安定した基盤の上で、どのようにキャリアを築き、自身の価値を高めていくかです。

キャリアステージ別の年収

正社員の年収は、キャリアステージに応じて段階的に上がっていくのが一般的です。あなたの現在地と、次に目指すべきステップを確認しましょう。

ジュニアクラス(経験~3年目):年収300万円~450万円

役割と目標: 先輩の指導のもと、実務経験を積む段階。まずは基本的なツール(Maya, Blender等)を使いこなし、チームの一員としてアセットを完成させるスキルを身につけることが目標です。

ミドルクラス(経験3~7年目):年収450万円~650万円

役割と目標: チームの中核として、主要なアセット制作を担当。品質とスピードを両立させることが求められます。この時期に「キャラクター」「背景」「エフェクト」といった自分の得意分野を確立できると、その後のキャリアが有利になります。

シニア / リードクラス(経験7年目~):年収650万円~900万円

役割と目標: チームのリーダーとして、クオリティ管理や後輩の育成、スケジュール管理などを担います。個人の技術力に加え、チーム全体の生産性を上げるためのリーダーシップが評価の大きなポイントになります。

専門職 / 管理職:年収800万円~1200万円以上

役割と目標: アートディレクター(AD)としてプロジェクトのビジュアルを統括したり、テクニカルアーティスト(TA)として技術的な課題解決を専門に担ったりすることで、年収は大きく飛躍します。替えの効かない専門家、またはプロジェクトを成功に導く責任者として、高い報酬を得ることが可能です。

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3DCGデザイナーのキャリアアップに必要なスキルとマインドセット

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正社員として年収1000万円を目指す4つのキャリア戦略

では、シニアクラスからさらに突き抜け、年収1000万円の領域に到達するには、どのような戦略が考えられるでしょうか。

1.社内での昇進(リードデザイナー / アートディレクターへの道)

これが最も王道なキャリアパスです。プレイヤーとしてのスキルだけでなく、チームを率いるマネジメント能力、プロジェクトのビジョンを示すディレクション能力を磨きましょう。特に、チーム全体の生産性を上げた実績や、プロジェクトを成功に導いたリーダーシップは、昇進・昇給の強力な武器になります。

2.専門性の深化(テクニカルアーティストへの道)

マネジメントではなく、技術を極めることでトップを目指す道です。Pythonやシェーダーを習得し、制作を効率化するツール開発や、新しい描画技術の研究開発などを担うテクニカルアーティスト(TA)は、市場価値が極めて高い専門職。需要に対して常に人材が不足しているため、好待遇で迎えられるケースが多くなります。

テクニカルアーティストについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてお読みください。

テクニカルアーティストの仕事とキャリアパス|3DCG×エンジニアの橋渡し職種

3.ハイクラス転職(AAAタイトル / 大手企業への道)

現在の職場で評価や給与に限界を感じるなら、より給与水準の高い企業へ転職するのも有力な戦略です。特にUnreal Engineを使ったハイエンドなコンシューマーゲームを開発している大手パブリッシャーや有名デベロッパーは、高いスキルを持つ人材に惜しみなく投資する傾向にあります。自身の最高傑作をまとめたポートフォリオを武器に、新たな環境に挑戦しましょう。

4.グローバル転職(外資系企業への道)

英語力に自信があれば、外資系ゲームスタジオへの転職は年収を飛躍させる大きなチャンスです。日系企業とは給与テーブルが根本的に異なる場合が多く、実力次第で大幅な年収アップが期待できます。海外チームと直接コミュニケーションが取れるレベルの語学力は、非常に強力なスキルとなります。

まとめ:自分の価値を高め、正当な評価と報酬を得よう

正社員3DCGデザイナーが年収を上げる方法は、大きく分けて「今の会社で昇進・昇格する」か「より待遇の良い会社へ転職する」かの2つです。

どちらの道を選ぶにしても、自身のスキルを磨き続け、市場価値を高めていく努力が不可欠です。本記事を参考に、あなたの目指すキャリアプランをぜひ描いてみてください。