「単価が伸びない」「次の案件が不安」——多くは希少スキルの不足か進め方の摩擦に集約されます。まずはC++/C#とUnity・Unreal Engineの“深さ”を伸ばし、見積もり・合意形成・変更管理を整える。この二本柱が指名の回数と継続率を押し上げ、最終的にレートへ跳ね返ります。
フリーランスゲームプログラマーの単価が決まる要因
単価は「替えが効きにくい価値」をどれだけ安定供給できるかで決まります。評価軸をそろえ、次に着手すべき箇所を特定しましょう。
スキルレベル
言語・エンジンの習熟、設計力、最適化の引き出し。要求に対して短時間で再現性高く結果を出せるほど評価が上がります。
実務経験
規模・役割・難易度、そしてリリースまでやり切った回数。障害対応や運用改善の実績は、現場の安心感につながります。
専門分野の希少性
レンダリング、ネットワーク、コンソール適合、ツール開発、テクニカルアート寄りなど、代替が難しい領域ほど単価は上がりやすい。
案件条件
開発ステージ、納期、品質基準、リスクの大きさ。緊急対応や上流責任が乗るとレートは上がります。
市場動向
プラットフォームやジャンルの波、採用難度。需要が集中する技術に寄せると交渉がしやすくなります。
交渉力
期待値の調整、追加要件の扱い、契約再評価のタイミング。言語化と段取りで結果が変わります。
収入の式と考え方
収入は単価 × 稼働率 × 継続率。
単価は希少スキルと成果の見せ方、稼働率は待機や手戻りの削減、継続率は合意形成と変更管理で伸びます。自分のボトルネックを先に見極めましょう。
単価アップに直結するテクニカルスキル
ここでは「その人に頼む理由」が増える順に、効果(何が速く/安定するか)を添えて押さえます。
C++(Unreal Engine志向)
メモリ管理・キャッシュ効率・非同期処理・プロファイリングと最適化。重いパートのボトルネックを潰すとフレームレート安定やロード短縮に直結。Unreal EngineのC++拡張(サブシステム、プラグイン、リフレクション)まで扱えると、大型案件での指名が増えます。
C#(Unity志向)
アーキテクチャ設計(依存関係・テスト容易性)、プロファイリング、GC負荷抑制、アセット運用。ECS/DOTSやジョブシステム、Editor拡張でビルド安定・開発速度を底上げ。Unity APIを踏まえたツール化はチーム全体の時短に効きます。
ゲームエンジン(Unity/Unreal Engine)
描画パイプライン、シェーダ、物理、アニメーション、アセット管理、プラットフォーム最適化。“想定された使い方”と“外し方”の両方を理解していると、詰まりやすい箇所で解像度高く動けます。
開発環境・周辺ツール(Git/IDE/CI/CD)
ブランチ戦略とレビュー運用、IDEでのデバッグ/リファクタリング、CI/CDによる自動ビルド・自動テスト。人力の繰り返し作業を削ることで品質の再現性と稼働率が上がります。
単価を押し上げるソフトスキル
技術が同水準なら、見積もり・合意・進行の上手さが差になります。短い実務例を添えます。
要件定義と合意形成
できる/できない、前提、品質基準、受け取り物を先に言語化。
例:「60fps維持 / 1080p / 指定エフェクト3種 / 2回レビュー」のように評価条件を明記。
見積もりの勘所
スコープ分解、工数根拠、リスクバッファ、レビュー回数の取り決め。
例:「基本実装24h+最適化8h+バッファ20%」のように根拠をひと言で添える。
進行・ドキュメント・レビュー運用
タスク分解、依存関係整理、連絡のタイミング、Issue/PRの記録。
例:「再現手順・原因・対処・確認方法」の4点セットで残すと、品質が再現できます。
交渉と再評価のタイミング
仕様変更や優先度変更は影響見積もりの提示→合意→実装の順で。
例:「範囲+8h、納期+1日、品質影響なし」のように即時にカードを出すと、感情論を避けられます。
案件獲得・単価交渉を有利に進める方法
現場は「成果と再現性」を見ます。伝え方の型を用意して、判断を早めましょう。
実務経験の棚卸し
課題→対応→結果で語る。
例:「描画負荷の局所スパイク→シェーダ最適化+ドローコール削減→平均fps+15%」のように、数字や再現手順で示します。
伝わるポートフォリオ
個人制作や技術デモは、狙い/役割/工夫/結果を1枚で把握できる構成に。READMEに動かし方・依存関係・ベンチ結果を明記すると、選定が速くなります。
面談での伝え方(価値→根拠→リスク対応)
先に「提供価値」を言い切り、すぐに根拠(成果物)を見せ、最後にリスクと扱いを言語化。安心感の設計まで話せる人は単価が下がりにくい。
エージェントの活用
直営業と並行して、選択肢の一つとして検討します。比較軸は業界特化性/案件レンジの幅/交渉実績/情報の透明性。
例:要件が曖昧な案件で、事前に期待値調整や契約条件の擦り合わせを担ってもらえると、実装前の齟齬が減ります。
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まとめ
単価を上げる要点はシンプルです。C++/C#とUnity/Unreal Engineの基礎体力を磨き、プロファイリングやツール化で速度と安定を底上げする。合わせて、要件定義・見積もり・変更管理を整え、期待値のずれを早めに潰す。
この二本柱が指名の回数と継続率を押し上げ、結果としてレートに反映されます。まずは自分のボトルネック(単価・稼働率・継続率のどこか)を特定し、今週ひとつ小さく改善しましょう。