ゲームプランナーになるには、何ができれば評価されるのか。採用で重視されるのは、企画の面白さを言葉で示せることと、それを実装に落とす設計の確かさです。本記事では、仕事内容・必須スキル・プラスαの強み・キャリアパスを、現場の流れに沿って整理します。まずは仕事の全体像から確認しましょう。

ゲームプランナーの具体的な仕事内容

プロジェクトの規模やフェーズで役割は変わりますが、核となる仕事は次のとおりです。

1. 企画立案・コンセプトメイキング

ターゲットと遊びの核(コア・ループ)を決め、収益設計と世界観を合わせて企画化します。着想はストア動向やレビュー分析などの市場調査から始め、根拠を簡潔にまとめて企画書へ。全体像は GDD(ゲームデザインドキュメント)に落とし込み、承認プロセスを前に進めます。

2. 仕様書作成

ルール、システム、キャラクター、UI/UX、レベルデザインまで誤読が起きない粒度で定義します。ワイヤーフレームや Figma のUIラフを併用し、意図・制約・受け入れ条件を明記。変更点は履歴を残して変更管理を行い、将来の差し戻しを減らします(「仕様書 サンプル」の読み解き力も評価対象になりやすい領域です)。

3. プロジェクト進行管理・調整

プログラマーやデザイナーと連携し、課題とスケジュールを整理します。Jira/Backlog で課題を可視化し、スクラム運用やバーンダウンで進捗とリスクを定量把握。仕様変更が出たら、影響範囲と優先度を言語化し、合意形成をリードします。

4. データ分析・バランス調整(運営)

運営型タイトルでは、KPI(DAU・継続率・ARPU)とイベント施策の関係を見ながら改善を繰り返します。必要に応じて ABテストを設計し、SQL/BI でセグメント別の反応を確認。バランス調整は体感だけでなくデータで裏づけるのが基本です。

ゲームプランナーに必須のコアスキル5選

1. 企画力・発想力

面白さをコア・ループやコンテンツ構造として言語化し、実現可能性と市場性を両立させる力。制約下でも遊びの核を守る設計が評価されます。

2. 論理的思考力・分析力

体験を構造分解して設計・検証する力。仮説→検証→再設計の短いループを回し、KPI設計や ABテストの意思決定へ接続します。

3. コミュニケーション能力

職種横断で前提を揃え、同じ言葉で議論できること。仕様の意図・リスク・優先度・スコープを共有し、決定を進める合意形成力が進行速度を左右します。

4. 文章力・ドキュメンテーション能力

GDDや仕様書に意図・制約・受け入れ条件を明記し、図表(フロー、ワイヤー)と文章を併置。更新履歴を残すことで実装とQAの齟齬を減らします。

5. 情報収集力・学習意欲

トレンドや競合、技術・運営手法を継続的に取り込み、成功要因と失敗要因を自分の言葉で要約。次の企画や運営へ反映します。

持っていると有利!プラスαのスキル

1. マーケティング知識

ターゲティング、ファネル、LTVなどの基礎。施策の目的と計測指標を結び、説得力を高めます。

2. データ分析ツールの活用

スプレッドシート/SQL/BI(例:Looker)。運営プランナーとしての意思決定に直結します。

3. プログラミング・デザインの基礎

実装・制作の現実的な落としどころを掴む素地。レベルデザインや最適化の考え方を理解していると、合意形成が早まります。

4. プレゼンテーション能力

意図・期待効果・リスクを要点で示し、検証計画と撤退基準までセットで説明します。

5. 語学力(特に英語)

海外情報のキャッチアップやツール・ドキュメントの理解、グローバル展開のコミュニケーションで優位に立てます。

ゲームプランナーのキャリアパスと将来性

1. キャリアアップ例

実績を積むと、リードプランナー→ディレクター→プロデューサーと責任範囲が広がります。レビュー体制や外部委託の運用まで面倒を見て、品質とコストの両面で成果を出すと評価が安定します。

2. 専門分野を深める

シナリオ、レベルデザイン、運営(イベント・経済設計)、ユーザーリサーチなどに特化する道も有力です。運営軸では、KPIと ABテストの設計力が差になりやすい領域です。

3. 未経験からの入口(アシスタント/QA経由)

未経験の場合は、アシスタントプランナーや QA(テスター)でプロジェクトの流れを体験し、仕様書作成の補佐や小規模のレベル配置から関わるルートが現実的です。Jira/Backlog、Figma などのツールに触れ、GDDの読み書きを小さく始めると、配属後の立ち上がりがスムーズになります。

4. 業界の動向と将来性

市場は変化が速く、新しいプラットフォームやビジネスモデルが続々と登場します。こうした変化を前提に、データで裏づける運営判断と、実装現場に寄り添う仕様設計を両立できる人材は、今後も需要が高いと見られます。

まとめ(採用側の目線で再確認)

ゲームプランナーは「面白さの言語化」と「実装可能性の見極め」を同時に扱います。採用では、GDDの解像度、仕様の変更管理、進行の整流(Jira/Backlog など)、そして KPI に基づく運営判断が一貫しているかが見られます。企画の切れ味だけに寄らず、開発の現実とつながる設計を淡々と積み上げられるか。ここに将来の伸びしろが表れます。